『中国人の愛国心』読了

王敏 PHP研究所PHP新書) 202ページ 700円+税
 中国人の5つの思考回路(「愛国」「歴史」「徳」「中華」「受容と抵抗」)を日本で働く中国人の著者が描く書。以前に読んだ著書は昨年の反日デモ前に記されていたのですが、今著は反日デモ後に記されています。マスコミの偏った意見ではなく、中国側の内情にも触れた書となっています・・・まあ、さすがに弁護色が強いのは否めませんけどね。特に歴史に重点を当てて、文化の違いを認識しない限りなんて件は・・・。
 日本人と中国人の物の捉え方を日本人が横(現代の国際関係等)、中国人が縦(歴史)であるという考え方は、なかなか興味深い意見だと思いました。むしろ日本人の右翼などは縦を重視する故なので根幹は似た者同士、同属嫌悪ってやつなんでしょうかねえ、と思った。ちなみに自分が言うのもなんですが、歴史を上っ面だけなぞったか、又は学者の如く心酔した人は右翼傾向に流れ易いのではないだろうか、と思ってます。
 2005年10月31日第1版第1刷 ISBN:456964628X