『萌える男』読了

本田透 筑摩書房ちくま新書) 218ページ 700円+税
 「萌え」の意義や、その精神構造に関して取り上げた書・・・かと思いきや、恋愛資本主義を相手取っての愚痴としか読み取れませんでした。「純愛」という台詞がこれほど空々しいものもありませんでしたが、『電車男』がオタクに歩み寄るものではなく、(女性側の)正しいと思う道へ教導するものである、というのは作品を読んで(観て)いない者としては興味深かった。近年、オタクに歩み寄っているかのように見えるマスコミは、実は恋愛資本主義にオタクを参入させようとしているだけだった、と。人の不幸は蜜の味。
 様々な社会論や哲学などを挙げて小難しく「萌え」を語って歪曲したりしておりますが、まあ要するに萌え擁護・・・と言うか自己正当化本? ってか、「萌える男」こそニュータイプである・・・みたいな書でもありました。
 2005年11月10日第1刷発行 ISBN:4480062718