『謀将 北条早雲』(上・下)読了

南原幹雄 角川書店(角川文庫) 331+347ページ 各590円+税
 戦国時代初期に活躍した下克上の先駆け伊勢新九郎北条早雲)の生涯。以前までの老年になってからの活躍、元は素性も知れない人物であったという定説は既に大きく修正されており、この作品でも最新の説になるべく準じた内容になっていました。まあ、非常に有能過ぎて全ての政争に関わっているような武将に描かれているのはどうかと思いましたけど・・・それと度を越したシスコンの人物として描かれておりました。基本的に(大衆に迎合している)大手出版社は、歴史小説に濡れ場と剣戟アクションを求めるなんて事を聞いた事があるが、謀将シリーズの今巻がが、ご多分に漏れない作品になってしまっていたのは非常にがっかりでした。
 足利茶々丸を敢えて生かして、カミーユを狙うジェリドのような役どころにしているのはなかなか面白かったです。
 この書籍は2002年1月、刊行されたものの文庫化です。
上:平成17年12月25日初版発行 ISBN:4041633443
下:平成17年12月25日初版発行 ISBN:4041633451