『謎の豪族 蘇我氏』読了

水谷千秋 文藝春秋(文春新書) 224ページ 740円+税
 6世紀、大和朝廷で権勢を誇った蘇我一族に関する書。逆賊という視点ではなく、かと言って正当化するでもなく、史料や最新の学説から蘇我氏の真実を解き明かそうとしています。
 官僚として変革を行おうとしていた蘇我氏中大兄皇子(天智)達が、天皇集権化のため改革を横取りしたという松本清張説の記述が多いので、なんでだろうと思っていたら、あとがきを読んで合点しました。
 まあ、歴代最強(と思っている)の謀略家天皇・天智に目をつけられたのが運のツキでしたな。
 目次は、「蘇我氏四代」「出自と出身地」「蘇我氏と渡来人」「仏教受容」「蘇我氏の二つの貌」「なぜ滅亡したか」「「逆賊・蘇我氏」の誕生」となっています。
 2006年(平成18年)3月20日第1刷発行 ISBN:4166604953