『古本通』読了

樽見博 平凡社平凡社新書) 205ページ 700円+税
 古書業界の裏話と現状を憂えた書。今やインターネット上で店の在庫状況を流し、仕入れもネットと言うのが主流になりつつあるらしい・・・古本屋と聞くと眼鏡をかけたおじいさんが本を読みながら店番しているというイメージがあるけど、それはもう時代遅れであるらしい。それにしても、古本というと安っぽいけど、古書と言われるとなんとなく高級なイメージが・・・まあ、本書で取り上げられているのは古典や学術研究書、明治・大正期の初版本の話だったりするので、あながち間違いではありませんがね。
 本好きな人々を紹介した「蔵書百態」は面白かった。「読む量が、買う本に追いつく本好きは案外少ないのではないかと思う。追いつく人は本好きではなくて、読書好きなのである。」・・・著者の本への愛情がとても強く感じられる内容でした。
 2006年4月10日初版第1刷 ISBN:4582853188