『事故と心理』読了

吉田信彌 中央公論新社(中公新社) 252ページ 820円+税
 人間心理から何故交通事故が起こるのかを分析した書。反応が鈍い人間よりも、むしろ反応が鋭い人間ほど事故を起こす、お年寄りの免許見直し等、思い込みで結論付けられている事項を、実証的な研究により論破します。研究結果の羅列に近い印象を受けますが、ここ30年の交通事故の傾向や安全対策など、非常に興味深い内容となっておりました。
 目次は、「いっときの失敗か日ごろの癖か」「エラーの心理学説」「安全意識対運転者の行動」「事故の当事者になりやすい人たち」「適性検査が描く事故多発者像」「安全対策は事故を減らすか」「エアバックは安全性を向上させたか」「安全な社会の設計に向けて」となっています。
 2006年8月25日発行 ISBN:4121018591