『中東イスラーム民族史』読了

宮田律 中央公論新社中公新書) 290ページ 880円+税
 イラク、イラン、トルコの三民族の歴史を記した書。歴史全体を俯瞰しているため、中東戦争に関しては取り立ててページを割いていないのはちと残念。火薬庫の源イスラエルを始めとした西欧列強のやり口を知ると現代各国の言説がとても空虚である事を実感します。ただ、この書籍は特にアラブ寄りで列強やイスラエルを非難している訳でもないんですけどね。
 歴史の羅列に近いので、各王朝の系図は助かるのですが、地図が少ないのが辛い・・・場所が分かり辛いんですよねえ。
 目次は、「中東三民族の特徴」「イスラームを誕生させたアラブ」「イスラーム世界に多大な影響を与えたイラン文明」「欧米支配とイラン民族主義の台頭」「トルコ民族の興亡」「共存していたトルコ人とアラブ人」「近現代におけるアラブ・ナショナリズム」「トルコをめぐる現代中東の国際関係」「突出するイラン・ナショナリズムと米欧・イスラエル」となっています。
 2006年8月25日発行 ISBN:4121018583