『アメリカ病』読了

矢部武 新潮社(新潮新書) 206ページ 680円+税
 良い面程には報道される事のないアメリカとアメリカ人の実は病んだ現状を記した書。噂程度に聞くアメリカの問題を、アメリカに長年滞在してアメリカを研究する著者がずばりと描きます。特に銃社会に関しての記述は日本での銃規制とは比べるべくもない程、相当根の深い問題となっており、銃を奪うのは民主主義に反する行為で、銃を奪う事はナチス等、政府の強権発動であって、もし実行されるなら断固戦うと考える人間の多さには戦慄。そして某国の宗教団体政党以上の組織力を見せる選挙活動・・・無理ですな。
 目次は、「「つねにポジティブである」ことに疲れたアメリカ人」「健康管理、ダイエット、フィットネスに走る「不健康」」「家、車からペニス、女性の胸まで全てマッチョ志向」「ポリティカリー・コレクトという原則論」「銃を持たなければ身の安全も自由も守れない」「「誰にも平等なチャンスが与えられている」のウソ」となっています。
 2003年5月20日発行 ISBN:4106100126