『飛狐外伝』(全3巻)読了

 金庸 【監修】岡崎由美 【訳】安部敦子 徳間書店(徳間文庫) 418+427+462ページ 各800円+税
 『雪山飛狐』の外伝的作品であり、胡斐の少年時代から『雪山』に至る(数年前?)までを描きます・・・が、『雪山』は1巻なのに、こちらは3巻と物語の内容もボリュームアップしていて、むしろこちらが本編のような気がしてきます。ただし、『雪山』とは矛盾が多々あったりするので、こちらを読んでからだと不自然な感じがするやも・・・ってか、後から書いたのにその整合性よりも、面白さを追求する辺りはさすが!?
 清の乾隆帝期の話となります。
 《以降、ネタバレ》
 内容的な矛盾もさることながら、主人公が復讐の相手を得ても、その手で倒す事が無く、あっさり死んだりしているのは、ある意味斬新でした。それと、『書剣恩仇録』の後日談的位置付けでもある為、『書剣』を読んでおく必要はあります。
 この書籍は2001年9月〜11月に徳間書店より刊行されたものの文庫化です(原作は1960年)。
(一)「風雨追跡行」:2008年8月15日初刷 ISBN:9784198928308
(二)「愛憎の父娘」:2008年9月15日初刷 ISBN:9784198928483
(三)「風に散る花」:2008年月15日初刷 ISBN:9784198928612