『水滸伝』(5巻、6巻、7巻)読了

 北方謙三 集英社集英社文庫) 390+388+ページ 各630円+税
 宋江が追いつめられる話から、早くも梁山泊の面子が死に始めて、前半の山場になるであろう祝家荘戦直前までの話。
 《以降、ネタバレ》
 一番最初に楊志が死ぬ事は既に知っていて、今まで読むのを躊躇していた要因ではあったのだけれど、原作の死に比せば、それなりに意義のある死となっていたので一安心。でも、他の人物に関しては、見せ場のあるカッコよい死に様に見えなくもないのだけれど、水滸伝好きとしては、読んでいて非常に苦しくて悲しい。戦争になれば人は死ぬ、それもあっけなく・・・なんて事を表現したいのかもしれないが、戦後の文章だなあ、と。
 って事で、石秀、周通、雷横、阮小五、時遷が死んでいきました・・・誰か、忘れているような気もしなくもないけれど。
 そう言えば、武松ではなく、魯智深が片腕を失っておりました。
 で、聞煥章が蔡京の快刀っぽく登場、青蓮寺でも一目置かれる存在へ・・・何と言いましょうか、物語を盛り上げる為には仕方ないのでしょうが、青蓮寺がまともだったりするのがなんとも。梁山泊軍が、一方的に強過ぎるのも面白くないからなんでしょうけどね。
 この書籍は2001年9月、2002年1月、2002年5月に刊行されたものの文庫化です。
〈五〉「玄武の章」:2007年2月25日第1刷 ISBN:9784087461244
〈六〉「風塵の章」:2007年3月25日第1刷 ISBN:9784087461336
〈七〉「烈火の章」:2007年4月25日第1刷 ISBN:9784087461442