『結城秀康』読了

志木沢郁 学習研究社(学研M文庫) 457ページ 760円+税
 徳川家康の次男(信康死後は長兄)でありながら、豊臣秀吉と結城家の養子として、短い人生を終えた悲運の将・結城秀康の生涯。と言っても、悲壮な内容ではなく、暗くなりがちな秀康の生涯を多少の影を秘めてはいるものの、良好に描いているので鬱屈がたまるような事もありません。それ故に盛り上がりも面白みも無い作品になってしまったと言えなくもありませんでしたけど。まあ、秀康は成功した部類に入るため、同じような養子人生を送って失敗した上杉景虎などと比べるのはなんなんですけどね。
 むしろ、様々な武将が登場するので、それら武将に対する著者の思いの様なものを垣間見れるのは興味深かったです。
 2005年10月17日初版発行 ISBN:4059011754