『院政 もうひとつの天皇制』読了

美川圭 中央公論新社中公新書) 270ページ 820円+税
 平安から鎌倉までの院政の歴史を記した書。院政と言われて、即浮かぶのは後白河と後鳥羽だと思われますが、この書籍では院政というものの成立過程から慣例化する流れ、院政での政治形態等、様々な側面を史料から詳細に記します。まあ、前述した二人に割かれるページは、やはり多くなるんですけどね。大天狗・後白河も、こうやって歴史を丁寧に辿って見ると、実は小心で運だけなのでは? という気がしてしまいますなあ。
 目次は、「摂関期までの上皇」「院政の開始」「院政の構造」「白河院政から鳥羽院政へ」「保元・平治の乱から後白河院政へ」「後白河院政と武家政権」「後鳥羽院政と承久の乱」「鎌倉後期の院政」となっています。
 2006年10月25日発行 ISBN:4121018672