『ロゼッタストーン解読』読了

レスリー・アドキンズ、ロイ・アドキンズ 【訳】木原武一 新潮社(新潮文庫) 471ページ 743円+税
 ヒエログリフを解読したシャンポリオンの波乱に飛んだ人生を記した書。フランス革命の興奮冷めやらぬ時代からナポレオン、その失脚と、政治情勢に多分に翻弄され続けながらも、その兄の献身的なまでの助力と不屈の精神、努力でヒエログリフ解読に至るまでの過程は、壮大な一大歴史ドラマと化しておりました。兄弟の妨害をする平凡な学者と言う存在が、虚栄心と妬心の塊なのは、いつの時代も変わらんのだなあ、と。男性の嫉妬は、女性の嫉妬よりも酷いってのが、よく分かりますなあ・・・あ、ちなみに女性の嫉妬が、ってのは男性の嫉妬による産物故とか思ったりしています。何に対して嫉妬しやすいか、の違いでしかない、と。
 ヒエログリフを始めデモティックにも、光を当てて、解読の歴史や方法を分かりやすく・・・は、ないものの、入門書としての一面をも持たせていました。
 この書籍は平成14年3月に刊行されたものの文庫化です。
 平成20年6月1日発行 ISBN:9784102168318