『ドラル国戦史 全8巻』読了

デイヴィッド&リー・エディングス 【訳】宇佐川晶子 早川書房(ハヤカワ文庫)
310+310+335+334+335+334+303+287ページ 各680円+税
 《ベルガリアード物語シリーズ》等を記した著者による作品。圧倒的な戦力を持って、野望に燃える敵を完膚なきまでに苛め抜くってな内容と、毎度の事ながら、主人公サイドには全くもってピンチが訪れないいつもの展開で安心して読む事が可能です。因果応報もしっかりしていますしね。でも、ラストのオチだと、結局元の木阿弥なんじゃないか? と思わなくもありませんでしたけどね。
 [ネタバレ]
 誰が主人公と明確になっていないためなのか、コロコロと変わる視点はともかく、その度に出来事を別視点で再度読まされるのは、辛い。時間軸も混乱させられるし、ページ稼ぎか? と思わざるを得ない展開で冗長過ぎでした。更に、8巻になっての神視点は、外伝で記してくれよ、と切実に思う程、散漫として盛り上がれないままでした。
 オチに至っては、長弓や、その周囲に関して・・・実際には神々や戦死した者達も良かったのではあろうけれど、鷲鼻達は報われないし、ウサギは本性を偽ったままになるであろうし、ナラサンは隠遁したまんまにもどるであろうし、ちゃぶ台ひっくり返された気分で、読後感は最悪でした。
 全7巻かと思って7巻まで読んで8巻を探しまくったけれど、7巻で読むの辞めて、8巻は見つからなければ良かったのに・・・と。
 あ、つまらない訳ではなく、今までの著者の作品に比すと格段に、その・・・。
1、「四方を統べる神」:2007年10月20日印刷 2007年10月25日発行 ISBN:9784150204525
2、「蛇民の兵団」:2007年12月10日印刷 2007年12月15日発行 ISBN:9784150204563
3、「神託の夢」:2008年3月20日印刷 2008年3月25日発行 ISBN:9784150204631
4、「峡谷の昆虫人」:2008年6月20日印刷 2008年6月25日発行 ISBN:9784150204723
5、「水晶砦の攻防」:2008年9月10日印刷 2008年9月15日発行 ISBN:9784150204778
6、「不死なる侵略者」:2008年11月10日印刷 2008年11月15日発行 ISBN:9784150204815
7、「高峰の決戦」:2008年12月20日印刷 2008年12月25日発行 ISBN:978415020860
8、「新しき神々」:2009年3月10日印刷 2009年3月15日発行 ISBN:9784150204914