『フランス反骨変人列伝』読了

安達正勝 集英社集英社新書) 229ページ 700円+税
 フランス正史には描かれる事の少ない(その時代の)変人を取り上げた書。ルイ14世に妻を寝取られ、反発したが故に過酷な生涯を送ったモンテスパン侯爵、フランス革命期にその能力で樽屋の息子から元帥にまで昇り詰めるもナポレオン没落後の去就を誤って処刑されたネー元帥、犯罪を繰り返して最後は殺人罪で処刑された犯罪者詩人ラスネール、死刑廃止を願いながら111人の人間を処刑し続けた死刑執行人6代目サンソン、以上4名の生涯を描きます。何気にラスネールとサンソンにページを多く割いており、サンソンの項は非常に興味深かった。ただ、死刑廃止論は著者の考えなのではないかと、勘繰りたくはなりましたがね。
 この書籍は『すばる』にて2004年9月号から2006年2月号にかけて断続連載したものを加筆修正したものです。
 2006年4月19日第1刷発行 ISBN:4087203379