『ドストエフスキー 謎とちから』読了

亀山郁夫 文藝春秋(文春新書) 262ページ 780円+税
 ドストエフスキーの5大長編小説を主軸にして、ドストエフスキー作品の根底に流れるものを読み解く書。元来ある説を否定する為、微妙に突飛な事が記されていない事も無いけれど、読み物としては面白かった・・・つい最近『未成年』を読了したので、手をつける事が出来た訳ですが、15年以上経過すると『悪霊』と『白痴』はほとんど覚えておりませんでした。作中で、あらすじが掲載されているので、なんとなく思い出しはするんですがね。もちろん、私的に衝撃だった長編『罪と罰』は別格ですがね。それにしても、年齢や環境で読後感が違うので、ドストエフスキー作品は若いうちに読んだ方が良いかもしれない、と思いました。
 目次は、「一八六六年―終わりと始まり」「四つの「罪と罰」」「性と暴力をめぐるトライアングル」「文化的基層との対話」「屋根裏のテロル―『罪と罰』」「反性的人間―『白痴』」「「豚ども」の革命―『悪霊』」「父と子の和解―『未成年』」「大地の謎とちから―『カラマーゾフの兄弟』」「続編、または「第二の小説」をめぐって」となっています。
 2007年(平成19年)11月20日第1刷発行 ISBN:9784166606047