『ローマ人の物語17、18、19、20 悪名高き皇帝たち(全4巻)』読了

塩野七生 新潮社(新潮文庫) 233+220+193+255ページ+ 17、20:438円+税、18、19:400円+税
 アウグストゥス死後のティベリウス、カリグラ、クラウディウス、そして最も悪名高きネロという4人の皇帝の生涯とネロの死によるユリウス・アウグストゥス王朝の終焉を描きます。著者の筆によると元来悪名高いと言われていたこの4人の皇帝達は、確かに問題はあったものの少々不当評価をされていた事が如実に語られております。特にティベリウスは、むしろ名君と言ってよかったのではと思える程でした。だからと言って偏った思考なのではなく、客観的正統な評価をしているように読み取れました。キリスト教を迫害したが故にローマ帝国皇帝として一番名を知られ悪名高くなってしまったネロにすら、評価する点があると談じております。
 しかし、この4人の名前を見ていると、ついつい『デモンベイン』のキャラを想起してしまって非常に違和感が・・・ってか、皇帝の名前だけを借りて史料などに準拠していないのがまざまざと分かりますなあ。敢えてやっているんだろうけど・・・。
 この書籍は1998年9月に新潮社より刊行されたものを文庫化したものです。
17:平成17年9月1日発行 ISBN:4101181675
18:平成17年9月1日発行 ISBN:4101181683
19:平成17年9月1日発行 ISBN:4101181691
20:平成17年9月1日発行 ISBN:4101181705