『前田利常』(上・下)読了

戸部新十郎 光文社(光文社文庫) 511+486ページ 各762円+税
 江戸時代初期、前田利家の4男にして前田利長後の加賀藩第三代藩主となった前田利常の生涯。と言っても、関ヶ原前後から家光の治世までの(前田利常の生きた)時代を描いた書と言った方が適切な気がします。更に利常よりも家臣である富田重政、重康父子に焦点があてられています。ちょっと繰り返し同じ挿話が入っていて記憶の反芻には良いのですが、くどさは残りました。
 ちなみに全60話で完結する予定でしたが、58話を途中まで書き上げた段階で著者が亡くなったために未完となっています。利常が退隠した所なので丁度良いと言えなくも無かったのですが・・・。
上:2005年10月20日初版1刷発行 ISBN:4334739644
下:2005年10月20日初版1刷発行 ISBN:4334739652