『信玄の戦略 組織、合戦、領国経営』読了

柴辻俊六 中央公論新社(中公新車) 250ページ 760円+税
 「武田信玄」通史の中でも領国経営の戦略に突出した書。20年前に前著があったらしく、そちらは信玄自身の生涯と領国経営を記した作品だそうです・・・機会があれば。とは言え、武田の成立から信玄擁立までの先代の話はなかなか読み応えがありました。基本的に様々な史書や文書から信玄の領国経営を分析する内容となってはいるのですが、『甲陽軍鑑』は、他に代わるべき書が無い為、疑いつつも信用するといったスタンスになっています。そのため、高坂昌信春日虎綱ですしね・・・それだけではありませんけど。
 目次は「武田氏の系譜」「信濃の侵略と支配」「川中島の戦い信濃統一」「北関東への侵攻と領国整備」「家臣団の再編成」「領国拡大と在地掌握」「駿河遠江への侵攻」「西上作戦の展開」「その後の武田家」となっています。
 2006年11月25日発行 ISBN:4121018729