『幕末の明星 佐久間象山』読了

童門冬二 講談社講談社文庫) 349ページ 733円+税
 幕末の巨星・佐久間象山の生涯。松代藩という――理解者であり庇護者であった真田幸貫の存命中は良かったものの――楔に縛られながらも、国家の為に邁進する姿を、聖人君子ではなく、「おれがおれが」と周りとの軋轢を悪化させ、好く者と嫌う者とに二分される極端にやっかいな性格の持ち主として描きます。挿入されている勝海舟西郷隆盛の的確な象山評が、全てを物語っていると言えますな。
 著書内では、「一期一会」と「日本では、何をやったかではない、だれがやったかだ」の二つのキーワードが顕著に記されて・・・またかよ、と思ってしまう程でした。
 そう言えば、河上彦斎の逸話は入るかと期待していたら、名前すら出さずにスルーでした。
 この書籍は2004年4月に、実業之日本社より刊行されたものの文庫化です。
 2008年8月12日第1刷発行 ISBN:9784062760539