『陰陽師 瀧夜叉姫』(上・下)読了

夢枕獏 文藝春秋(文春文庫) +418ページ 上:570円+税、下:629円+税
 平安時代陰陽師安倍晴明の活躍を描いた《陰陽師シリーズ》のシリーズ長編。都を襲う怪異に晴明と博雅ペアが挑む物語。読んでいると”呪”をかけられるのか、つい降りる駅を乗り過ごす事がしばしば・・・一部ラノベ並に白い本なんですけどねえ。中断はともかく、読むのが非常に心地よい。
 〈以降、ネタバレ〉
 本当にネタバレすると、20年前に平定された平将門復活を巡って・・・ってか、本当に復活する話なんですけど、将門由来の人物が多々登場するだけで嬉しい。貞盛の扱いは悪かったものの、俵藤太の扱いは格段に良かった。そして、当然と言いましょうか、将門自身は純な武将として善でも悪でもない存在の如く描かれて、やはり生粋の悪役にはできない人物なんでしょうなあ。
 この書籍は2005年9月に刊行されたものの文庫化です。
上:2008年9月10日第1刷 ISBN:9784167528171
下:2008年9月10日第1刷 ISBN:9784167528188