『ローマ人の物語35、36、37 最後の努力』(全3巻)読了

塩野七生 新潮社(新潮文庫) 213+157+137ページ+ 35:400円+税、36、37:362円+税
 四頭制を導入する事で、ローマの威信を取り戻したディオクレティアヌスから、その四頭制から台頭して、只一人の勝者となるコンスタンティヌスまでの50年程のローマ最後の光輝。
 他宗教を許容してきたローマ的支配から、王権神授説の萌芽といえるキリスト教的支配の中世へと・・・。キリスト教に寛容で、キリスト教を擁護した、という理由だけで、コンスタンティヌスは”大帝”とまで呼ばれて、憚りのある出来事は抹殺される歴史がつらつらと描かれています。帝政辺りまでの明るいイメージは薄れて、斜陽していく様が物悲しい・・・諸葛亮だけがメインを張り始めた『三国志』を読んでいるような気分になりました。まあ、こちらは小説ではなく、歴史的事項の羅列なんですが・・・中でも、ディオクレティアヌスの晩年の不幸――なのかは分りませんが――予想外でした。堕ち過ぎ。
 この書籍は2004年12月に新潮社より刊行されたものを文庫化したものです。
35:平成21年9月1日発行 ISBN:9784101181851
36:平成21年9月1日発行 ISBN:9784101181868
37:平成21年9月1日発行 ISBN:9784101181875