『ランクマーと二剣士』読了

フリッツ・ライバー 【訳】朝倉久志 東京創元社創元推理文庫) 424ページ 940円+税
 1940年から(中断を挟みつつ)書き続けられていたヒロイックファンタジーの傑作《ファファード&グレイ・マウザーシリーズ》の第5弾にして最終巻。そして、初の長編となっています。
 ファファード&マウザーが未曾有の事態に襲われるランクマーを救うため奮闘する話。
 ってか、相変わらず主役の二人が英雄らしからぬ行動の連続で、犯して殺すために女性を連れ去るファファード、自らの失態を隠すために先んじて領主に取り入ろうとするマウザー・・・読んでいて気分の良いものではありませんが、後半の怒涛の展開は非常に熱く面白いんですよねえ。完全な勧善懲悪ものって訳でもないのが魅力ではあります。
 それと今巻は猫好きには――一部、不快なシーンがありますが――たまらないかもしれません。
 それにしても、これで最終巻となる訳ですが、もっと読みたかったとか、何の感慨も浮かばないのは、このシリーズたる所以なんでしょうかねえ。ファンの方、ごめんなさい。
 2005年6月30日初版 ISBN:4488625126