『データの罠 世論はこうしてつくられる』読了

田村秀 集英社集英社新書) 205ページ 680円+税
 巷に溢れる様々なデータ・・・それらデータを鵜呑みにするのではなく、正しい見方を検証する書。データとは、数が多ければ良いという訳ではなく、どれだけ客観的(新聞社の調査は概ね恣意的なものになっている)に行われているかが重要であり、物によっては、あからさまにおかしいデータの集合体である事を証明しています。
 ただ、おかしいと断罪するだけではなく、日本人は英語が出来ない信仰の一つとなっている「TOEFL」成績の悪さも、日本では強制的に受験を受けさせている事が多いとか、他国では受験料の高さからエリートや学習熱の高い人以外は受験していない等の理由が無視されて、単純にデータ上のランキングのみで英語学習がダメだった、と結論付けるのは早計である、と弁護(?)しています。まあ、視聴率は救いようないようですが・・・。
 目次は、「世論調査はセロンの鏡か?」「調査をチョーサする」「偽装されたデータ?」「「官から民へ」を検証する」となっています。
 2006年9月20日第1刷発行 ISBN:4087203603