『反西洋思想』読了

I・ブルマ&A・マルガリート 【訳】堀田江里 新潮社(新潮新書) 254ページ 720円+税
 「敵(イスラム原理主義、ナチズム、日本軍国主義等)」によって描かれる非人間的な西洋像「オクシデンタリズム」。その偏見を検討、歴史ルーツを辿る書。歴史だけでなく、哲学や神学からのアプローチが非常に多めなので、散漫な印象を受けなくもありませんでしたが、それはこちらの理解不足という事で・・・。基本的にはイスラム原理主義を主題としておりますが、別段マニ教的世界観(善悪二元論)に囚われていなさそうなのはポイント高いです。
 著者は外国の方ですが、日本の軍国主義に関しても研究されている方なのですが、天皇が江戸時代までは京都に隔離されていたという表現が・・・空間的に隔離されているのではなく、政治的にという意味合いなんだろうけど、気にはなりました。
 目次は、「オクシデンタリズムとは何か」「西洋の都市」「英雄と商人」「西洋の心」「神の怒り」「思想の相互汚染」となっています。
 2006年9月20日発行 ISBN:4106101823