『宇喜多直家』読了

高橋直樹 学陽書房(人物文庫) 381ページ 840円+税
 戦国武将・宇喜多直家の半生・・・と言う事で、子供の頃からトリカブトを採取して毒殺を試みるなど、謀略の限りを尽くし、身近な者であろうとほとんど苦悩もせずに平然と暗殺する直家を、見事までに描いた傑作。文章もだけど、構成が見事なので、つい引き込まれて読んでしまいます。
 ただし、三村元親討伐までで完結する中途半端さは否めず、更に凄惨となっていくその後を読めないのは残念。
 それと、表紙を正子公也さんが描かれているのですが、見事なまでに直家を表現しているようで素晴らしいです。

 この書籍は1996年4月に新人物往来社より『黒い風雲児』として刊行されたものの文庫化です。
 2008年9月20日初版発行 ISBN:9784313752399