『楊令伝』(10巻、11巻、12巻)読了

 北方謙三 集英社集英社文庫) 396+390+390ページ 各600円+税
 禁軍総帥童貫を倒して梁山泊という国をどう位置付けるか、頭領となった楊令の選んだ道は王のいない交易で財を成し、税率1割の国家でありました。安全な交易(西域から日本まで)が物語の主となってきて、時々戦闘が入ります、な展開となっておりました。民の為の国家梁山泊、金軍、岳飛、張俊らの軍閥、李富率いる青蓮寺による南宋、そして金軍の傀儡政権・斉建国と混沌としてまいりました。ひとつ言える事は、岳飛は死なない、ということだけは確定事項である、のがなんともなんですよねえ。
 徐々に二代目の時代となりつつありましたが、一代目の退場も多くなってきて、原書では地味、本書でも地味ながら活躍してきていた杜興や王定六も、ついに・・・。
 この書籍は2009年7月〜2010年1月に刊行されたものの文庫化です。
〈十〉「坡陀の章」:2012年3月25日第1刷 ISBN:9784087468021
〈十一〉「傾暉の章」:2012年4月25日第1刷 ISBN:9784087468151
〈十二〉「九天の章」:2012年5月25日第1刷 ISBN:9784087468281