読書履歴

『死の家の記録』読了

ドストエフスキー 【訳】工藤精一郎 新潮社(新潮文庫) 464ページ 520円 再読。 獄中生活を送る一人の貴族の話を通して、ドストエフスキーの獄中記でもあり、その後の作品における犯罪者達の雛形総登場(?)となる作品。実際に獄中にいた著者だからこそ描…

『悪霊』(全2巻)読了

ドストエフスキー 【訳】江川卓 新潮社(新潮文庫) 535+636ページ+ 上:560円、下:640円 再読。 無政府主義、無神論に走る若者達の暴走を描く書。何気、長編であると言うのに読んでいる最中も全く内容を思い出せないほど、記憶になかった作品となっており…

『賭博者』読了

ドストエフスキー 【訳】原卓也 新潮社(新潮文庫) 254ページ+ 360円 再読。 賭博に興じてしまうロシア人の性癖をドストエフスキーの実体験(儲ける所を除く?)を基に描く書。 延々賭博シーンばかりと言う訳ではありませんが、基本的にはそんな話ばかりと…

『永遠の夫』読了

ドストエフスキー 【訳】千種堅 新潮社(新潮文庫) 258ページ 400円 再読。 妻に不貞を働かれながらも、ただ”夫”として生きるしかない”永遠の夫”トルソーツキィが、妻の死を経て妻の愛人の一人であった主人公の下へ赴いて友情を求める話。トルソーツキィの…

『虐げられた人々』読了

ドストエフスキー 【訳】小笠原豊樹 新潮社(新潮文庫) 561ページ 600円 再読。 私的ドストエフスキー作品の中で一番好きな作品。ドストエフスキー本人を連想させる主人公を語り手として、一組のカップルの誕生から破滅するまでの過程を、訴訟問題やそれぞ…

『貧しき人々』読了

ドストエフスキー 【訳】木村浩 新潮社(新潮文庫) 224ページ 320円 再読。 初めて読んだドストエフスキー作品にして、この作品を読んだばかりにトルストイではなく、ドストエフスキーに傾倒していったので感慨深い作品となります。 善良な小役人の中年と薄…

『ローマ人の物語41、42、43 ローマ世界の終焉』(全3巻)読了

塩野七生 新潮社(新潮文庫) 258+202+243ページ 41:438円+税、42:362円+税、43:514円+税 《ローマ人の物語シリーズ》完結。テオドシウス帝が亡くなり、ローマ帝国が東ローマと西ローマに分かれた後、西ローマの滅亡するまでが描かれております・・・いつ…

『白痴』(全2巻)読了

ドストエフスキー 【訳】木村浩 新潮社(新潮文庫) 600+560ページ+ 上:640円、下:600円 再読。 ドストエフスキーの考える「無条件に美しい人」を、知性はあるものの、性情から白痴(ばか)と呼ばれる公爵に当てはめて、彼がロシアに戻ってからロシアを去…

『越女剣』読了

金庸 【訳】林久之・伊藤未央 徳間書店(徳間文庫) 409ページ 686円+税 金庸武狭小説の中短編集にして、文庫版はラスト。これで金庸作品の新作は読めないのが残念。まあ、再読する事はできますが、武狭小説は、先が分ってしまっていると、なかなか楽しみづ…

『新しい太陽のウールス』読了

ジーン・ウルフ 【訳】岡部宏之 早川書房(ハヤカワ) 606ページ 1000円+税 ファンタジーと思わせてSFであり哲学要素をも内包する《新しい太陽の書シリーズ》の続編にして完結篇。前シリーズと翻訳の時間が空いておりましたが、読んだのが5年前の自分は・・…

『氷と炎の歌2 王狼たちの戦旗 全5巻』読了

ジョージ・R・R・マーティン 【訳】岡部宏之 早川書房(ハヤカワ文庫)383+363+327+334+324ページ 各巻:720円+税 《氷と炎の歌シリーズ》第二部開幕。 ファンタジー小説ながらも中世歴史小説を読んでいる気分にさせてくれる本作。今作でもファンタジー要素…

『氷と炎の歌1 七王国の玉座 全5巻』読了

ジョージ・R・R・マーティン 【訳】岡部宏之 早川書房(ハヤカワ文庫)297+301+366+363+361ページ 各巻:700円+税 《氷と炎の歌シリーズ》第一部開幕。 絶対的な支配を誇る古代王朝を駆逐した(勇者であった)王の統治する国家を舞台にしたファンタジー小説。…

『野望円舞曲外伝 デッドライン23』読了

荻野目悠樹 【設定】田中芳樹 徳間書店(徳間デュアル文庫) 184ページ 505円+税 9巻が発見できずで読書が中断している《野望円舞曲シリーズ》の外伝。裏の主人公と言えるナギブとコンラッドの過去話。 シリーズが3巻辺りまで出た頃に発売された外伝となって…

『ローマ人の物語38、39、40 キリストの勝利』(全3巻)読了

塩野七生 新潮社(新潮文庫) 209+179+143ページ 38:400円+税、39、40:362円+税 キリスト教が、大帝コンスタンティヌスによって迫害対象から公認された前巻、時代はその息子達へ移行して、徐々にローマがキリスト教に侵食されていく様が描かれます。 途中…

『日本語の深層 ことばの由来、心身のむかし』読了

木村紀子 平凡社(平凡社新書) 221ページ 760円+税 日常使用している言葉を分解して、『万葉集』や『梁塵秘抄』などの様々な文献からその由来を読み解く書。様々な例を挙げてはいるものの、あまりに細かすぎて、理解に苦しみ箇所が多々ありました。ただ、古…

『村人の城・戦国大名の城 北条氏照の領国支配と城郭』読了

中田正光 洋泉社(歴史新書y) 254ページ 840円+税 戦国時代の北条氏、中でも北条氏照に焦点を当てて、彼の支配する城郭の意味合いを分析して、氏照の領国支配を読み解く書。以前読んだ『百姓から見た戦国大名』での家督相続は、飢饉などの天変地異に対して…

『野望円舞曲 8』読了

田中芳樹&荻野目悠樹 徳間書店(徳間デュアル文庫) 353ページ 714円+税 国家を破滅させかける程の壮大な父娘喧嘩も終結して、今後は大国ボスポラス帝国に対抗するってな構図になりそうな本作。謎の船団へ赴いたジェラルドメインな話へと移行するのかと期待…

『野望円舞曲 6、7』読了

田中芳樹&荻野目悠樹 徳間書店(徳間デュアル文庫) 392ページ+378ページ 676円+税 他国に内乱を誘発したり、自国の経済を破滅させたりしながら繰り広げられた壮大な父娘喧嘩スペースオペラも、一つの目的が達成されて、物語は新たな局面へと向かおうとする…

『野望円舞曲 5』読了

田中芳樹&荻野目悠樹 徳間書店(徳間デュアル文庫) 371ページ 705円+税 スペースオペラ第五弾。宙峡の崩壊を防ぐ為、狂奔する人々を描く書・・・エレオノーラが主人公化してきてしまった。 ほんでもって、信長家臣団なボスポラスですが、秀吉=ケペルの部…

『野望円舞曲 4』読了

田中芳樹&荻野目悠樹 徳間書店(徳間デュアル文庫) 278ページ 676円+税 序盤の山場(?)へ向かい、思惑を持った人物達が注視する戦場へと、メインキャラ達が集結しつつある話。相変わらず主人公と位置付けられているエレオノーラ達の場面がつまらない。お…

『野望円舞曲 3』読了

田中芳樹&荻野目悠樹 徳間書店(徳間デュアル文庫) 286ページ 676円+税 ジェラルド側しか面白くなくなってきていると言うのに、ほとんどページを割かれていないとか・・・ってことで、彼は陰謀によって何度も撃退した敵側のボスポラスの駐在大使として、死…

『野望円舞曲 2』読了

田中芳樹&荻野目悠樹 徳間書店(徳間デュアル文庫) 314ページ 676円+税 主人公が壊滅的なまでに魅力がないのがキツイ。著者が苦手なのか、肝と成りそうな政治劇や艦隊戦は微妙で、人間ドラマもそこそこ・・・。艦隊戦はそれなりに面白く仕上がりそうな状況…

『野望円舞曲 1』読了

田中芳樹&荻野目悠樹 徳間書店(徳間デュアル文庫) 353ページ 676円+税 スペースオペラ作品にして田中芳樹さんの名前があっては、第二の『銀河英雄伝説』を期待せずにはいられない訳ですが・・・田中さんは原案(修正も?)で、基本は荻野目さんが記されて…

『新世界より(上・中・下)』読了

貴志祐介 講談社(講談社文庫) 482+442+551ページ 上:724円+税、中:676円+税、下:790円+税 呪力という”神の力”を手にいれた人類が、1000年後の日本を舞台に百鬼夜行や異星人と戦いを繰り広げるSF小説・・・なんて物語ではなく、夕方になるとドボルザーク…

『【最後の魔法使者】第二部 魔法の誓約  上・下』読了

マーセデス・ラッキー 【訳】細美遙子 東京創元社(創元推理文庫)299+286ページ 上巻:900円+税、下巻:880円+税 「こんな可愛い子が女の子のはずはない」 であった、一部の黒髪美少年は、10年以上が経過して美青年へと成長して、絶大な力を持つが孤独な魔…

『名将 山中鹿之助』読了

南原幹雄 角川書店(角川文庫) 441ページ 743円+税 戦国武将を題材にした第何弾だかは忘れたが《謀将・名将シリーズ》の最新刊は、尼子家家臣・尼子十勇士の筆頭山中鹿之助の生涯。当主として勝久を担ぎ上げてから、3度行われた尼子家復興戦を描きます。鹿…

『「クトゥルフ神話」がよくわかる本』読了

【監修】佐藤俊之 【編著】株式会社レッカ社 PHP研究所(PHP文庫) 285ページ 619円+税 H.P.ラヴクラフトが創世して、死後様々な著者によって体系化した「クトゥルフ神話」をその成立過程、外なる神や旧支配者、生物までを紹介した「暗黒神伝」、『ネクロノ…

『アイダ王女の小さな月 魔法の国ザンス(21)』読了

ピアズ・アンソニイ 【訳】山田順子 早川書房(ハヤカワ文庫) 575ページ 1000円+税 《魔法の国ザンスシリーズ》の最新21巻・・・スルーはされなかったけれど、物足りない内容だった? って事で、今回は好色の代名詞精霊フォーンのフォレストが、友人のフォ…

『天龍八部』(全8巻)読了

金庸 【監修】岡崎由美、【訳】土屋文子 徳間書店(徳間文庫) 389+369+371+345+400+356+391+422ページ 各686円+税 北宋時代を背景にした宋周辺国の人物達をも巻き込んだ確執や運命に翻弄される様を描いた武侠小説・・・ってか、これで金庸作品の長編はおし…

『三国志 第六巻』読了

宮城谷昌光 文藝春秋(文春文庫) 389ページ 600円+税 宮城谷三国志(文庫版)の第六巻は、袁家の滅亡から、赤壁の戦いを経て、劉備が荊州に足場を築くまでの話・・・アニメの三国演義に追いついた。 丁度、劉巴の命は!? って所で終わってしまっており、次…