読書履歴

『フリーランチの時代』読了

小川一水 早川書房(ハヤカワ文庫) 316ページ 660円+税 SF中短編集5編を集めた作品・・・裏表紙に記された「心優しき人間たちのさまざまな”幼年期の終わり”を描く」ってのが的を射てるので、敢えて内容には触れません。情報を得ずに、小川さんだからと普通…

『片手間ヒロイズム』読了

小林めぐみ 一迅社(一迅社文庫) 270ページ 619円+税 結城心一さんが表紙&カラー絵&挿絵を描かれるとあっては購入しない訳にはいかなかった作品ですが・・・こういった挿絵の入る小説では、著者あとがきにイラストに対しての謝意みたいなのが入るのが普通…

『幕末維新と佐賀藩 日本西洋化の原点』読了

毛利敏彦 中央公論新社(中公新書) 226ページ 760円+税 幕末から明治にかけて他藩の追随を許さない程の西洋先進技術を持つに至った佐賀藩の歴史を記した書。長崎御藩→鍋島閑叟→江藤新平を主軸に置いて、薩長土肥の中で一番地味・・・下手すると人名さえ浮か…

『戦国の合戦』読了

小和田哲男 学習研究社(学研新書) 277ページ 790円+税 戦国時代を、そこに至る歴史的過程から戦略・戦術、武将の心構えなど、”合戦”という観点から簡便に記した書。前作『戦国の城』が、城砦の入門書だとすれば、こちらは合戦の入門書。新説(珍説も?)な…

『言語世界地図』読了

町田健 新潮社(新潮新書) 215ページ 700円+税 世界で使用されている公用語はもちろん、主要46言語に関して、使用地域の民族的特色や文化、言語の成り立ちや言語的区分、その発音などの特徴などを簡潔に紹介した書・・・分かり易いかは別問題ですがね。言語…

『戦国武将 人気のウラ事情』読了

鈴木眞哉 PHP研究所(PHP新書) 237ページ 720円+税 戦国武将の”人気”に関して、生前のものから後世によって作られた評価などの形成された理由を読み解く書。当然と言えば、当然ですが、江戸時代の影響が多大である事が分かります。 前作『戦国時代の大誤解…

『大名屋敷の謎』読了

安藤優一郎 集英社(集英社新書) 204ページ 700円+税 江戸時代の大名屋敷に関して、勤番武士等の住民の体験談、屋敷に出入りする商人の史料などから、大名屋敷の実像を紹介した書。主に三章以降は、尾張藩御用聞となった中村甚右衛門の幕末から明治までの中…

『女魔術師ポルガラ 全3巻』読了

デイヴィッド&リー・エディングス 【訳】宇佐川晶子 早川書房(ハヤカワ文庫)471+470+474ページ 各巻:840円+税 《ベルガリアードシリーズ》の最終巻にして、『ベルガリアード物語』に至るまでの数千年のポルガラの生涯を描きます。先に読了したベルガラス…

『戦国史の怪しい人たち 天下人から忍者まで』読了

鈴木眞哉 平凡社(平凡社新書) 225ページ 760円+税 戦国時代、出自や事跡の疑わしい武将達を、様々な史書の記述等から検証、その虚実を追った作品。天下人の出自に始まり、講談などの物語に登場する武将達の存在有無、等々、武将の選別が微妙にマニアックと…

『こんな募金箱に寄付してはいけない』読了

筑波君枝 青春出版社(青春新書インテリジェンスシリーズ) 219ページ 730円+税 下記の目次を含めて、強烈な感じなタイトルを並べておりますが、どちらかといえばボランティア現場側から語った内容で、作中にも記されている通りに、見事なまでな両面提示とな…

『ドストエフスキーの人間力』読了

齋藤孝 新潮社(新潮文庫) 293ページ 483円+税 ドストエフスキー作品に登場する”過剰な人々”を取り上げて、ドストエフスキー自身の魅力を語る書。ロシアの世情や風土・宗教など作品を生んだ土壌部分には触れず、”人間”重視に終始。その為、最近読んだドスト…

『女悪魔の任務 魔法の国ザンス(19)』読了

ピアズ・アンソニイ 【訳】山田順子 早川書房(ハヤカワ文庫) 558ページ 940円+税 《魔法の国ザンスシリーズ》の最新19巻(およそ1年ぶり・・・早い!)。今回は、コウノトリを呼びたい女悪魔メトリアを主人公に、宇宙の滅亡を三度見た鳥の王シムルグの命で…

『ロゼッタストーン解読』読了

レスリー・アドキンズ、ロイ・アドキンズ 【訳】木原武一 新潮社(新潮文庫) 471ページ 743円+税 ヒエログリフを解読したシャンポリオンの波乱に飛んだ人生を記した書。フランス革命の興奮冷めやらぬ時代からナポレオン、その失脚と、政治情勢に多分に翻弄…

『戦国名臣列伝』読了

宮城谷昌光 文藝春秋(文春文庫) 369ページ 562円+税 春秋戦国の戦国時代の名臣16人を紹介した書・・・春秋版と比して、著名どころが格段に増えておりました。むしろ、全員? また、系図などの解説に終始する事も少なく、著者の歴史小説の如く読み易くなっ…

『春秋名臣列伝』読了

宮城谷昌光 文藝春秋(文春文庫) 362ページ 562円+税 春秋時代の名臣20人を紹介した書・・・と言っても、人物紹介よりも、どちらかと言えば、その時代背景と家系に関しての知識を羅列した形態なので、著者の歴史小説を期待して読むと痛い目にあいます。下記…

『ドストエフスキー 謎とちから』読了

亀山郁夫 文藝春秋(文春新書) 262ページ 780円+税 ドストエフスキーの5大長編小説を主軸にして、ドストエフスキー作品の根底に流れるものを読み解く書。元来ある説を否定する為、微妙に突飛な事が記されていない事も無いけれど、読み物としては面白かった…

『未成年』(上・下)読了

ドストエフスキー 【訳】工藤精一郎 新潮社(新潮文庫) 632+633ページ 各:781円+税 この作品を読了した事で、ドストエフスキーの和訳されている作品は、ほぼ、長編は全て制覇! まあ、15年以上かかりましたがね。しかし、絶版となって、なかなか復刊されな…

『ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」』読了

伊藤章治 中央公論新社(中公新書) 243ページ 840円+税 ジャガイモの歴史を歴史的事項と絡めて紹介した書・・・基本は歴史の講釈となっており、その時代時代でジャガイモが果たし役割を記す内容となっておりました。貧者のパンと呼ばれるように、革命、飢饉…

『呂蒙』読了

芝豪 PHP研究所(PHP文庫) 422ページ 743円+税 三国時代(実際には違うという突っ込みは無しで)の呉の武将・呂蒙の生涯。概ね歴史になぞらえながら、仮想男女の人物を呂蒙配下に・・・あまりにこの二人が、有能で活躍し過ぎてしまって、赤壁も実は・・・と…

『エレニア記 全6巻』読了

デイヴィッド・エディングス 【訳】嶋田洋一 早川書房(ハヤカワ文庫)380+349+291+347+469+ページ 1・2・4巻760円+税、3巻740円+税、5・6巻840円+税 《ベルガリアード物語シリーズ》等の著者による別シリーズ開幕。毒を盛られた女王を救う旅が神もが恐れる…

『黒田長政』読了

近衛龍春 PHP研究所(PHP文庫) 475ページ 819円+税 戦国時代の名軍師黒田官兵衛の息子・黒田長政の生涯。偉大な父を持ったが故の苦悩と焦燥が見事に描かれておりました。が、その主人公である長政が、中盤までは狷介で狭量な人物にしか思えなかったのは、こ…

『幼年期の終り』読了

アーサー・C・クラーク 【訳】福島正実 早川書房(ハヤカワ文庫SF) 390ページ 720円+税 SF史上屈指の名作と呼ばれるクラーク代表作。米ソ宇宙開発競争の最中、突如現れたエイリアンに導かれ、戦争を根絶させた人類が、その先に目指すものは・・・と、三部構…

『倚天屠龍記』(全5巻)読了

金庸 【訳】林久之・阿部敦子、【監修】岡崎由美 徳間書店(徳間文庫) 505+507+493+502+461ページ 各800円+税 《射雕三部作シリーズ》の完結作品・・・と言っても、『射雕』から『神?』が連続した作品だったのに対して、本作は序盤こそ前作主人公の娘・郭襄…

『ばいばい、アース』(全4巻)読了

冲方丁 角川書店(角川文庫) 352+434+427+377ページ 1・4巻:590円+税、2・3巻:629円+税 獣人達の世界に現れた牙も毛皮も何の生物的特徴を持たない“のっぺらぼう”(人間)と呼ばれる怪力少女・・・独特な世界観と風習の中で描かれる剣士達の物語。ネタバレ…

『藤堂高虎』読了

村上元三 学陽書房(人物文庫) 251ページ 760円+税 戦国武将・藤堂高虎の生涯。家名を残す為、主君を代え続けたが故にあまりよく思われていない節のある武将ではありますが、本書では戦闘に秀でた人情溢れる武将として描かれています。羽柴秀長、その養子で…

『魔帝の血脈 全4巻』読了

テリー・グッドカインド 【訳】佐田千織 早川書房(ハヤカワ文庫)287+310+299+286ページ 各680円+税 《真実の剣シリーズ》の第七部。ダークン・ラールの私生児二人をメインとした外伝的な話。メイン主人公であるリチャード達はほとんど登場せず、どちらかと…

『凱歌の後』読了

塚本障u史 講談社(講談社文庫) 469ページ 762円+税 凱歌を垓下にかけた漢建国後の5人の功臣と4人の姫妾の生涯。個々は独立して過去から現代、功臣に関しては更に粛清されるまでを描きつつ、表の主人公・劉邦と裏の主人公・呂后の確執を描きます。所々にオ…

『ホウ統』読了

立石優 PHP研究所(PHP文庫) 333ページ 629円+税 三国時代、劉備の軍師として蜀侵略の先鋒を担ったホウ統(”ホウ”は漢字が表示できず)の生涯。演義の醜男設定を否定しつつ、その内容は正史と演義の出来事を混ぜたものとなっておりました。基本的には、ホウ…

『蒲生氏郷』読了

近衛龍春 学習研究社(学研M文庫) 382ページ 720円+税 戦国武将・蒲生氏郷の生涯。信長を敬愛しつつ、信長の婿という立場に固執する多少傲慢な武将であり、先陣を家臣よりも突き進む猪突猛進武将として描かれています。父である賢秀が暴走しがちな氏郷を押…

『小早川隆景』読了

江宮隆之 学習研究社(学研M文庫) 319ページ 660円+税 戦国時代、毛利元就の三男にして、両川体制の為に小早川家当主となった小早川隆景の生涯。少年時代から亡くなるまでを、丁寧に描いております。元々、隆景・・・を含む毛利家の見せ場が、厳島合戦、本…